私が妊娠に気づいたのは、妊娠7週目でした。
実際には5週目には異変を感じていましたが、妊娠検査薬は月経予定日から1週間程度経過してから使用するため、実際に検査を行ったのが7週目。
ベトナムでも日本と同様に妊娠週数は最終月経(最後の生理)の初日を「妊娠0週0日」として数え、病院でも「妊娠xカ月目」ではなく、「妊娠○○週○日」と表記されます。ただ、国によってルールが違うので海外で健診の際は要注意。妊娠何週目かを伝えるより、最終月経予定日を伝えるのが確実です。
壮絶な状況下での妊娠発覚と初期症状
私たちの妊娠発覚は2024年2月のこと。
中国の春節の休暇を利用した旅行中での発覚です。
なぜ壮絶な状況下だったかというと、旅行といってもビーチ沿いのリゾートなどではなく、寝袋やテントを積み、ベトナム→ラオス→カンボジアを自転車で3週間周遊するという状況下での妊娠発覚のスタートとなりました。
妊娠2ヶ月目の赤ちゃんの大きさはまだ1cm程度です。
とは言え、個人差はあると思いますが、症状としては、
- つわり
- 体のほてり
- 食べ物の嗜好がいつもと少し違う
- 眠気が出る
などの変化が出る人もいるようです。
私は、2ヶ月目の段階で上記の症状がすべて出ていましたが、炎天下の中で毎日100キロ以上自転車をこいでいたため、初めの1週間は全く妊娠に気づきませんでした。
気づかなかった理由:
- つわり → 軽い食中毒と勘違い
- 体のほてり → 自転車をこいでいたので常に暑い
- 食べ物の嗜好が変わる → 旅行先の現地の料理が合わないと勘違い
- 眠気 → 自転車疲れだと思っていた
特につわりについては、同じ時期にパートナーにも同じ症状が出始め(その後、私のつわりが落ち着くまで約2ヶ月続きました)、完全に食中毒だと勘違いしていました(笑)
男性にも「クーヴァード症候群(couvade syndrome)」といって、妊婦の夫が妊娠をきっかけに似た症状を経験することがあるようで、我が家はまさにそれだったみたいです。
では、なぜ妊娠だと気づいたかというと、妊活を始める約半年前から正確な月経周期をスマートウォッチ(Garmin)で記録していたからです。カレンダーを見ながら日数を計算したり、頭で月経周期を記録する必要がない為、記録しておいてよかったなと実感しました。
ただ、旅行中ということもあり最初の数日間はパートナーにはまだ何も言わずに予定通り旅行を継続することに。
しかし偶然にもこのタイミングで、世界を自転車で17ヶ月間旅しているカップルに出会い、奥さんが妊娠3ヶ月目で旅を終えるとのこと。その話を聞いて私の症状と一致していると感じ、「これはきっとできている…」という確信につながりました。
妊娠検査やパートナーへの伝えるタイミングを少し待った理由
すでに月経が10日ほど遅れていたことと、何を食べても吐いてしまう状況。ほぼ100%妊娠している確信があったのですが、妊娠検査やパートナーへの相談は少し待つことにしました。
妊娠検査やパートナーへの伝えるタイミングを少し待った理由:
- 検査してもその後どうにもできない立地。不要なストレスと心配は避けたかった
そもそも、その時いた場所が東南アジアのド田舎。検査薬も移動手段もない環境だったので、体調がすぐれないことだけ夫に伝え、旅行を継続しました。 - ぬか喜びになりたくなかった
妊活を始めたばかりの私たちにとっては妊娠発覚は朗報。だからこそ、検査しててからパートナーに報告することにしました。 - 妊娠が確定するまで最後に二人の時間を過ごしたかった
妊娠が確定すると、夫婦の関係が“親・家族”へと一変します。だからこそ、確定前の数日間、最後の“カップル”としての時間を過ごしたかったのです。
後になって振り返ってみても、この数日間は私にとって尊い宝物のような時間となりました。お腹の中の子の“母親”になる前に、目の前にいる男性にとって“ひとりの女性”として映る最後の時間だったと感じています。
流産などのリスクを考えると、「妊娠しているかも」と感じた段階で旅行をストップしなかったのは賢明な判断ではなかったかもしれません。しかし、私が妊娠を感じた瞬間から検査で妊娠の事実が確定するまで”普通に”2人で過ごした一時は、「子供がいるから一緒にいる」のではなく「愛し合っているから一緒にいて子供がほしい」という土台があることを私の中で再確認する思い出となりました。一生忘れることのない数日間だったと思います。
待ちに待った妊娠。パートナーにすぐに伝えてあげたいという思いもあるかと思います。ただ妊娠生活がスタートすると、逆戻りはできません。だからこそ”二人だけの世界”を最後に少しだけ楽しむのもありかもしれません。
意外と知られていない流産の割合(12週の壁:早期流産との戦い)
妊娠が確定した後に押し寄せた感情は1つ。
心からの幸せ・喜び・感謝。
そして、失ってしまうかもしれない不安。
流産の約85%は妊娠12週までに起こるといわれています(12週の壁)。平均的な流産率は約15%。35歳を越えると約25%、40歳を越えると50%近くになります。なんと、6人に1人の女性が流産経験者と言われています。
私たちの場合、妊娠発覚がカンボジアの田舎。移動手段がなく、自転車での移動を続けるしかありませんでした。妊娠が確定してから自宅にたどり着くまでの数日間、そして病院で胎児の健康を確認するまでの間は不安で仕方ありませんでした。
しかし、
- 妊娠3ヶ月目でも自転車旅行をしていた夫婦に出会ったこと
- 早期流産の原因は胎児の染色体異常であるケースが多いこと(母体の生活要因ではないことが多い)
この2点から、体調の変化に気をつけ、無理をしないのであれば、自転車旅行を継続してもあまり影響がないと判断しました。
結果的に、自転車旅行を最後まで続けたことが、妊娠生活やパートナーと支え合って生活していくことへの自信につながりました。
これから妊娠生活をスタートされる方の中にも、早期流産のことで不安という方もいらっしゃるかと思いますが、「妊娠初期に自転車で旅行している、そんな人もいるんだ〜」と少しでも誰かの勇気と安心に繋がれば嬉しいです。
なお、この時期はまだ胎盤が発達しておらず、母体の影響は胎児に伝わりにくいとされていますが、内服薬・喫煙・アルコール摂取は完全にストップしました。理由は、自分にも摂取するメリットがないと判断したからです。
海外出産のメリット:ドクターとの相性を大切にできる環境
自転車旅行から帰ってきた8週目に、一番近いインターナショナル病院に行きました。病院選びは情報が少なく、初回は相性の合わないお医者さんで不安が増す結果に。
エコーや血液検査などを一通りし、説明は以下のような内容でした。
「妊娠は確定。胎児には今の所なにも問題はない。ただし、赤ちゃんは35%程度の確率で流産する可能性がある」
医学用語を並べられたことで情報処理が追いつかず、帰宅後に調べたところ、この35%というのは私の年齢(37歳)に基づく数字で、決して誤った説明ではありませんでした。
しかし、私たち個別の話ではなく、一般論ということ説明がなく、流産リスクだけを強調されたことが、私たちにとっては大きな不安となりました。
東南アジアの国際病院では、日本語通訳がいる施設もありますが基本は英語か現地語対応。それでなくても不安を伴うのが妊娠生活。言語の壁というハンディーキャップがあるからこそ、海外出産では自分たちに合ったドクターに出会えるまでこだわることが大切です。
そしてベトナムでは、日本と違い出産直前まで病院やドクターの変更が可能です。
病院や医師にとって妊婦(患者)はお客様(→少し日本と考え方が違うところ)。明らかな身体的なリスクを伴わない限り、基本的には妊婦の意志を尊重してくれる病院が多い様です(私立の国際病院の場合)。
その象徴として、例えば、施設はAという病院を選択し、ドクターは別の病院から自分で連れてきて出産なんてことも可能です。その為、ドクターとの相性は妥協せずに選ぶことができるんです(そういったプランも料金表にあり)
出産は文化。国や世代が違えば感あげ方や習慣も全くことなります。言語の壁や習慣の違いがあるからこそ、海外で出産する場合、出産に関する方針を妥協せずに相性を大切に選ぶことが重要なんです。
2回目以降の検診は事前リサーチと先生の指定を
初めての検診ではかなりネガティブな思いで帰宅したため、2回目以降は病院や先生などのバックグラウンド、口コミなどをしっかりと調査してから、こちらが先生を指定する形で予約をしました。
2回目の検診では、素人にもわかる単語で現在の胎児の状況はもちろんのこと、一般論として今後気をつけるべきこと、フェーズごとのリスクや可能性、実施するべき検査、また私たち固有のケースとしての注意点など、丁寧に説明してくれる先生でした。
個人的には、短い様で長い妊娠生活を快適に過ごす上で病院施設の設備も重要ですが、医師との考え方のマッチはそれ以上に大切だなと痛感しました。
初回と2回目の検診でのアドバイスの違い
例えば、初回の検診の先生からのアドバイスは、
「流産の確率が高い。ただ、普通の生活を続けて、無理をしないように安静に過ごす」
がメインのメッセージでした。
反対に2回目の先生からのアドバイスは、
「妊娠初期は流産の可能性は高いが、それは遺伝的要因のケースが多い。無理をしないという前提にはなるが、お母さんが心身ともにストレスを感じない生活を続けていれば、育つ子はちゃんと育ってくれる」
という内容で、具体的にはこんなアドバイスをいただきました:
- 栄養は気にした方が良いから、不足している栄養素としてこのサプリを取る
- 今まで運動習慣があったのであれば、強度を落として無理が出ない程度に継続を推奨
- 夫婦間の性生活も今まで通り続けて大丈夫。不快に感じる場合は無理はしない
- 日常生活は今まで通り送って良い。疲れたと感じたらすぐに休息
妊娠生活をどう過ごすかは考え方次第で全然違う
初めての検診では不安な気持ちしか残らず、
「流産しないために、なにをしないのか」というマインドセットになってしまい、家に引きこもり気味になりました。結果、メンタルも体調もダウン。
しかし、2回目の検診では、
「元気に育ってもらうために何ができるのか」という前向きなマインドセットに大きく変化。
同じ検診でも、先生次第でここまで心の持ちようが変わるのか・・・と。
海外出産に伴う不安と選択の大切さ
海外での出産だからこそ伴う不安やリスクももちろんあります。だからこそ、病院選び・先生選びをする方は、先生や病院の知名度だけではなく、その先生が信頼でき、コミュニケーションの取り方が自分たちに合っているのかを見極める必要があります。
病院選びに関しては、カルチャーショックを超えた驚きの連続だったので、どうやって病院選びのプロセスについては、また別途お話ししたいと思います。
次回予告:妊娠2ヶ月目後半からのつわり生活
また、妊娠2ヶ月目後半から地獄のつわり生活が本格スタートしました……その詳細とどう対処したかは、妊娠3ヶ月目でご紹介したいと思います。
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