この記事について
こんにちは、慶應卒⭐️マルチリンガル母さんです。
海外移住を検討している方にとって、移住先をどう選ぶかはとても重要なテーマです。 私はこれまで中南米、欧州、北米、東南アジアと、さまざまな国を旅したり滞在したりしてきました。 そんな私がなぜ最終的にベトナムを選んだのか、実体験をもとにその理由をシェアしたいと思います。
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移住先選びで絶対に確認すべき6つの視点
1. 治安・住居の質・物価のバランス
治安と生活コストのバランスは非常に重要です。 私が以前住んでいたメキシコは物価が安い一方、治安面にかなりの不安がありました。
例えば、女性が夜一人で出歩くのはNG、家は鉄格子と門付きが当たり前。
これに対してベトナムは昼夜問わず一人で歩ける治安の良さがあり、過度なぼったくりも少ないのが特徴です(観光地は例外)。
また、物価が安い国でも日本人が住みたいと思う住居が手の届く価格帯かどうかも重要です。
例えば、ミャンマー。
現地の物価は確かにめちゃくちゃ安いんですが、せっかく海外に移住するならジム・プール付きのコンドミニアムに住みたい!と物件を確認してみたところ、供給量が少ないせいか目玉が飛び出るほど高いということがありました。
また、東南アジア移住に関心を持ち始めた時にフィリピンのマニラを訪問したことがありました。英語が通じてよさそうだな〜なんて思っていたんですが、夜一人で散歩しようと思った時に、日中はそうでもなかったんですが、実際に夜外を歩いてみると「ここは女性が一人で住むのは厳しそう」と思ったことがありました。
治安や住居の質、物価のバランスはなかなかネット検索では分かりにくい情報が多いので、まずは現地に実際住んでいる日本人のブログやYoutubeで下調べをしてみてください。
その上で、現地の不動産会社(日系の会社があれば日系)にコンタクトしてみて、どれくらいのレベル感の物件がいくら位くらいで賃貸できるのか、外国人におすすめのエリアはどのエリアか、避けた方がよいエリアはあるのか(またその理由)などを聞いてみると外からはわからない情報が入ってきたりします。
また、現地に実際に足を運ぶ機会があるのであれば、気になるエリアをあえてタクシーを使わずに歩いてみたり、観光地から少し離れたローカルの方が足を運ぶスーパーやマーケットで買い物をしてみると、その国の特徴が見えてくるのでおすすめです。
2. インフラ(電気・水道・ネット・医療・教育・交通)
国土交通省の発表によると、日本は国際ランキングで第1位だそうです。インフラって日本で生活していると当たり前の様に存在するのでどれだけ恵まれた環境かって中々比較する機会ってないですよね。
発展途上国では停電、水道水の質、インターネット速度、病院の設備レベルが大きな課題になります。
特に物価が安い途上国では定期的な停電、水道水の飲料可否、電車がそもそもないという国もあれば、病院の設備が絶望的だったりということも。
また、子育て家庭の場合、日本人学校やインターナショナルスクールの有無やその費用も要確認です。
例えば、カンボジアやラオス。家族で移住と考える場合、医療水準や衛生インフラが整っていない点がネックになったりします。
他にもネット環境が不安定な国だと停電に伴い、丸一日ネットが繋がらないなんてこともあったりするので、海外ノマド生活を検討されている方の場合、オンラインでの仕事に問題が生じることも。
必要なインフラ水準は、自分が求めているライフスタイルとどれくらいの期間海外での生活を検討しているに左右されます。
例えば1年だけということであれば経験だと腹を括りあえて異なる環境に挑戦してみるというのもありです。しかし、5年、10年、それ以上と長期移住を検討している場合は、子育てや健康に関する生活環境が整っていないとそれがストレスで結局うまくいかないということも考えられます。
我が家の様に子育て家庭であれば、下記は絶対に押さえておきたいところです。
- 大きな手術ができて言語が通じる病院が近くにあるか
- 幼稚園〜中学校までの教育機関がどんな選択肢があるか
- 日々の移動にはどのような手段があるのか
- 日本人コミュニティの規模は
3. 日本からの距離・時差
長期移住を考えるなら、日本へのアクセスも無視できません。
特に、30歳を超えてから海外移住を検討する場合、親が高齢になりいざ何かあった時にすぐに帰れるあと言う点も気になるところ。
実際、海外に住んでいても日本に住む家族の急病やライフイベント、自分自身の行政手続きのために急な一時帰国が必要になる場面があります。なんだかんだで日本の行政手続きはオンライン化が進んでいないことが多く、結局一時帰国しない場面も多々(例えば、免許更新)。
実は私が東南アジアを選んだのも日本からの距離・時差が1番の理由。
過去に欧米・欧州・中南米に住んでいましたが、一時帰国をしようと思っても、①フライトが10時間以上かかるのでそれなりのまとまった休暇が必要、②フライトチケットも往復15万円以上が当たり前、③時差が10時間以上あり日本にいる家族とのコミュニニケーションは気軽に取りにくい。
その点、ベトナムは片道5時間半、直行便が毎日出ている、時差2時間、航空券もLCCを使えば往復4-5万円以下と、あまり予算や滞在期間を気にせずに気軽に一時帰国できる条件が整っていることが魅力でした。
4. 宗教と思想の近さ
宗教や思想が自分に合っているかも長期生活では意外と重要。
例えば東南アジアの中でもマレーシアやインドネシアは、イスラム圏の国。インドネシアでは、食品、飲料、原材料へのハラル認証の取得が義務化されていることから、手に入る外国製品がかなり限定されていたり、マレーシアではお酒が売っていない訳ではないけれど、酒税が高くアルコールの値段が日本以上に高い印象が強かったです。
他にもフィリピンではカトリック圏。離婚が認められていないなど、国によって異なる文化や法律も考慮する必要があります。
私自身はお酒や食事制限にストレスを感じるタイプだったので、日本と近い仏教国や宗教制限が緩やかな国が暮らしやすいと感じました。
全く違う宗教、文化、思想にどっぷり浸かってみたいというのも一つの考えですが、それが長期的にみた時にストレスにならないかは検討したいところです。
5. 日本製品・サービスの手に入りやすさ
和食や日本製品が恋しくなることも多い海外生活の一つの側面。
カナダやフランス在住時には、味噌汁1杯のために高額を払ったり、そもそも外食文化が発達していない国では刺身定食を食べよう!なんて思った日にはしっかり散財する覚悟が必要でした。
その為、現地では手が届かない日本製品を一時帰国時に大量購入したりと苦労が多かったのですが、ベトナムではその必要がありません。
その理由は、ベトナムに無印、ユニクロ、イオン、マツキヨ、コーナンなどの日系ビジネスが進出しており、食材や日用品、日本食レストランのレパートリーも充実していてからです(和食も安くでいいものが食べます)。
ストレスを溜めないという意味では結構重要なポイントだったりします。
6. 仕事の探しやすさとビザ取得のしやすさ
最後になりましたが、1-5の項目はあくまでも趣向の問題。
一方で仕事やビザ(在留資格)は、各個人の経歴や学歴、収入によって、候補として検討が難しい国もあります。
海外に長期で移住しようと思うと、現地でのビザ(在留資格)が必要になります。
ビザは国によって規制や難易度が異なりますが、学生ビザ、ワーキングホリデービザ、ノマドビザ、現地の方との結婚を除き、一般的には現地で仕事を探し、雇用元がサポートする形でビザを申請します。
つまり、海外移住をを検討している場合、現地での就職のしやすさとビザ取得の可能性がカギになります。
例えば欧米・欧州では、専門性や学歴、語学力が厳しく問われることが多く、私が昔住んでいたフランスではポテンシャル採用みないなものがなく、基本的には、その仕事や分野に関連する資格をもっているか大学を専攻しているというのが最低条件。
つまり、日本の新卒・第二新卒の様に文学部を卒業して、少し英語が話せるからといって、貿易の仕事を・・・みたいな転職はほとんど不可能だったりします。
貿易の仕事がしたいのであれば専門学校や大学に通い直すか、しっかりと日本でその分野の業務経験をつんでいることが求められます。
また、アジアの中でもシンガポールなんかは、就労ビザの発行が年々厳しくなっており、大学を卒業していなければ転職エージェントもサポートしてくれないなんてことも(エンジニア職は除く)。
これは、自国民の雇用を守ることや労働市場の質を維持することが目的です。海外で外国人(日本人)を雇うということは、現地の方の雇用の機会を損失してでも絶対に欲しい理由や明確な専門性が必要になります。
私自身、海外への長期移住を検討する際に、もともと明確な専門職がなかったことが障壁となりました。特に専門性もなく、現地語や英語や話せない場合、その国における日本人のニーズ(日本企業の存在感)が仕事やビザ取得を左右することになります。
例えば、日本の車メーカーや裾野産業が進出しているメキシコ、日系企業が多く進出しておりまだまだ日本人ニーズが多いタイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、求人数は少ないが日本人がまだ行きたがらないインドが日本人の狙いやすい国だなと感じました。
その中でも特にベトナムは、日系企業の進出も活発で、日本人ニーズが高く、ビザサポートを受けやすい環境ということに加え、多くの日系企業では管理職に日本人を採用する傾向にあり、入社2〜3年でマネージャーになれるなど、成長機会も多いというのが魅力でした。
仕事に関しては、現地の日系転職エージェントにコンタクトし、どんな機会があるか相談してみるのが一番手っ取り早いです。また、言語に融通がきくのであればLinkedInのアカウントを作成し、求人を見てみると言うのも一つです。
ちなみに国を問わずいつも募集しているな・・・という職業は、経理、財務、会計(会計士の需要はどの国でも多い傾向に)、ITエンジニア、建築や施工管理、工場長、営業(国によっては現地語必須)です。
まとめ:なぜベトナムだったのか
さまざまな国を比較検討した結果、ベトナムは次のようなバランスの良さが決め手となりました。
- 治安が良く、物価とのバランスが取れた住環境
- インフラが一定水準をクリア
- 日本から近く、時差が少ない
- 自分の生活スタイルと宗教文化が合う
- 日本製品や和食が手に入りやすい
- 現地で仕事が見つけやすく、ビザが取得しやすい
移住先選びは、①移住期間、②家族、子供ありか、③どんな生活水準を維持したいか、④それにかかる想定コストや収入、⑤自分がストレスを感じるポイントとのバランス、⑥今ある職歴、学歴、専門性でどんなオプションあるのかをまず整理することからスタートすると大きくぶれることはないかなと思います。
海外移住を成功させるために
勢いで決めず、必ず情報収集して現地に足をはこぶこと。
現地の情報を遠隔で調べたい時におすすめのリサーチ方法はこちらです。
ただ、実際の治安は都市やエリアによっても大きく異なる為、気になる都市があれば必ず実際に現地に足を運んでみることをお勧めします。
- 現地に住んでいる日本人のブログで情報収集し、思い切ってオンラインインタビューを依頼してみる
- 現地で主要なEコマース(国によってはアマゾンではないケースも)で売られている商品をみてみる(ベトナムの場合、ShopeeやLazadaというプラットフォームを除いてみました)
- 現地の不動産会社にコンタクトし住環境やエリアごとの治安、物件情報を提供してもらう。オンラインミーティングを実施する
- ファイスブックで「Expat 都市名」といったキーワード検索してみて外国人のコミュニティの有無や情報量を検索してみる
- 軽犯罪〜重犯罪の数やレベル感はどんなものかを現地の日本大使館・領事館に問い合わせて見る(ニューズレターなどで発信している場合もある)
- 現地の日系転職エージェントに相談してみて、求人を実際に紹介してもらう
しかし、どんなに事前情報を集めても、百聞は一見にしかず。
現地視察に行き、実際に肌で感じることが最も大切です。 少し時間と費用をかけてでも、現地のリアルを自分の目で確かめることをお勧めします!
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